はい、ICLに関する記事ばかり更新していますが、今回でラストなのでどうかご了承下さい。
ここ1~2ヶ月ずっっっっっっとICLに関して調べ病院にも何度も行きましたので、その結果を記事にしようと思います。
恐らくこの記事さえ見てもらえれば、ICLに関することはほぼ分かってもらえると思います。
1.ICLってそもそも何?
簡単にいうと眼の中にトレンズを入れる手術のことです。
レンズ自体が経年劣化がほぼ無い素材でできていますので、一度入れるとずっと入れたままにできて、また柔らかい素材のため破損する恐れもありません。

ちなみに上記画像のように、水晶体と虹彩の間にレンズを入れるものを後房型フェイキックIOLといい、角膜と虹彩の間にレンズを入れるものを前方型フェイキックIOLといいます。
後房型と前方型のどちらがいいかに関しては、まずICLそのもののリスクに触れた上で書いていこうと思います。
2.ICLのリスクに関して
ICLですが角膜にメスを入れるという時点でかなり多くのリスクがあります、自分が調べたリスクについて紹介します。
・手術失敗
・感染症
・角膜内皮細胞減少
・白内障、緑内障
・レンズの回転(乱視の場合)
・ハロー、グレア、光の輪
・見えすぎによる眼精疲労
自分が思いつく限りのものは、すべて挙げさしていただきました。
これから一つずつ解説をしていきます。
2-1.手術失敗
当たり前ですが、ICLは眼にメスを入れる手術です、ですので失敗のリスクはあります。
例えば手術中に地震が来た場合や本来触れるべきではない所にメスが触れてしまう等ですね。
ただこれに関してはICLに限った話ではなく、すべての手術にあるリスクです。
だからこそ信頼できる先生に手術をして貰う必要があります。
2-2.感染症
手術中の感染症(メスの消毒忘れ)と術後の生活中の感染症の可能性があります。
感染症は、最悪の場合失明という可能性もあります。
ただこの手術中の感染症は超ヤブ医者でない限りありえないと思います。
術後の感染症に関しては、言われたことを守っていればほぼ問題はないはずです。
2-3.角膜内皮細胞の減少
角膜の細胞は増えるということはないため、死滅をするとその分減少します。
ICLでは角膜にメスを入れているのでその時点で減少がおき、またレンズがもし角膜に触れてしまっている場合は減少します。
これに関しては山王病院のHPにて7年経過した際の減少に関するグラフが掲載されています。
7年時点を見る限りは基本的に問題がないかと思います。
ICL後の1週間後検査、1ヶ月後検査、3ヶ月後検査、6ヶ月検査、12ヶ月検査、以降12ヶ月ごとに検査を行うので、レンズが角膜に触れてしまい大幅に減少するということも恐らくあまりないと思います。
ただあくまで7年分のデータになりますので、それ以降に関しては不明です。
2-4.白内障、緑内障
水晶体にレンズが触れると白内障になる可能性が高く、レンズが大きく虹彩を圧迫すると目の中の水の流れが悪くなり緑内障になる可能性が高くなります。
本来は水晶体にレンズは触れませんし、レンズサイズが適正な場合は虹彩を圧迫することもなく、レンズ自体に穴も空いてますので正しく手術ができていればあまり問題はないと思います。
特に最初の1年は定期的に検査を行いますので、問題があった場合はすぐわかります。
ただそれ以降は1年ごとになるため、もし1年間放置した場合どれぐらいの影響があるかは知っておいた方がいいかも知れません。
ヤフー知恵袋には経年変化により白内障、緑内障を誘発すると言っている人がいますが、個人的には根拠がないのであまり信じないでいいかなと思います。
ただ10年以上経過したデータがないため、将来的にどうなるかは不明です。
2-5.レンズの回転(乱視の場合)
乱視用のレンズを使用する場合、レンズの向きというのが重要になります。
基本的に10°以上回転してしまうと、視力矯正効果がなくなります。
レンズが回転する可能性は、手術時の角度調整ミス、レンズが小さい、目の構造上回転しやすい、衝撃をうけて回転する等になります。
個人的にこのリスクはかなり大きく感じています。
手術回数が増えれば増えるほど、手術のリスクが生じる回数が増えてしまいます。
2-6.ハロー、グレア、光の輪
目の中にレンズを入れますので、光に対して違和感を覚える人が結構いるとのことです。
気にならないという人もいますが、かなり気になるという人もいて、個人差が非常に大きいところです。
夜車を運転しているときヘッドライトが眩しくて運転が怖いという人もいますので、そこはしっかり考えるべきだと思います。
ただ必要以上に怯えるず、可能性を天秤に賭けて判断すればいいと思います。
2-7.見えすぎによる眼精疲労
視力を1.5-2.0にした場合、近くを見る作業が多いとしんどいってことですね。
ただこれに関してはPC用のメガネを作る、矯正視力を1.0程度にするという方法で対応出来ると思います。
3.後房型と前方型はどちらのほうがいいの?
前方型、後房型ともにメリットデメリットがあるのですが、基本的には後房型のほうが良いパターンの方が多いです。(実施している割合も後房型の方が多いです)
3-1.後房型のメリット
・角膜に触れることがないので、角膜内皮細胞の減少リスクが前方型に比べて低いです。(角膜内皮細胞が減りすぎると角膜移植が必要になります)
・外から眼を見た時に、レンズが入っていることが見えません。
3-2.後房型のデメリット
・水晶体に近いため、白内障を誘発するリスクが前方型よりも高い。
・乱視レンズの場合、回転する可能性が前方型よりも高い。(回転した場合、再手術[レンズ位置の修正orレンズのサイズ変更]を行います)
3-3.前房型のメリット
・水晶体にレンズが触れないので、白内障のリスクが後房型より低い
・レンズを虹彩に固定するため、回転リスクが後房型より低い
3-4.前房型のデメリット
・角膜にレンズが触れる可能性が後房型よりも高いため、角膜内皮細胞減少リスクが高い
・衝撃を受けた際にレンズが虹彩から外れてしまう可能性がある(再手術)
・レンズを固定するために虹彩を切開する必要がある
・外から目をみるとレンズが入っていることが見える
4.レーシックと比較した場合のメリット、デメリット
最後のよく話題となるレーシックと比較した場合のメリット、デメリットをまとめて終わりにしようと思います。
4-1.レーシックのメリット
・角膜を削る手術のため、もし感染症になったとしても失明することはない
・ICLに比べて費用が安い
・乱視の矯正が可能
4-2.レーシックのデメリット
・角膜を一度削ってしまうと元に戻せない
・フラップを作るため、ドライアイになる可能性がある(通常3ヶ月程度で回復するが、ずっと続く人もいる)
・近視戻りがある(視力が落ちてしまう)
・角膜を削るためICLよりは見え方がキレイではない
・白内障になった場合、角膜を削っているため、正確な白内障用の正確なレンズを作ることが厳しい
・眼圧が正常に計測できなくなるため、緑内障を発見出来ない場合がある
4-3.ICLのメリット
・レンズを取り出せば、ほぼ元の状態に戻せる。ただし完全に前の状態というわけではありません、メスを入れているので乱視等の影響が残る可能性はあります
・レーシックに比べて見え方がキレイ
・レーシックに比べて、ドライアイになりにくい
4-4.ICLのデメリット
・失明に至る感染症になる可能性がある
・手術自体のリスクはレーシックよりも圧倒的に高い
・乱視の場合レンズが回転してしまうと再手術が必要
・費用が高い
・白内障、緑内障のリスクがレーシックよりも高い
結論
当たり前ですが、視力を矯正する手術というのはかなりリスクがあります。
ですので、もしみなさんがする場合はしっかりとリスクを認識した上で受けるようにして下さい。
病院を選ぶ時はしっかりとリスクに関して説明してくれる、何かあった時にこの病院ならなんとかしてもらえると思える信頼できる病院を選びましょう。